「料理をもっと楽しみたい!」
料理やお菓子作りが好きな車いすユーザーの方に、ぜひ知っていただきたいキッチンがあります。
一般的なキッチンは、立った姿勢で使うことを想定して作られているため、車いすに座ったままでは、作業台が高い、シンクやコンロに近づきにくい、収納に手が届きにくいといった不便を感じることがあります。
新しいメニューに挑戦したり、美しい盛り付けにこだわったり。料理をする楽しさをもっとたくさんの方に感じてほしい。
そんな想いをこめて、使いにくさに配慮し、座った姿勢でも料理がしやすいよう、様々な工夫が施された車いす対応キッチンがあります。
この記事では、車いすキッチンを選ぶ際に確認したいポイントを、設備や動線の面から詳しくご説明します。
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座ったまま使えるから、料理がもっと楽しい!車いす対応キッチンの魅力

車いすキッチンとは

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
車いすキッチンとは、車いすに座った姿勢でも調理や片づけがしやすいように設計されたキッチンです。
一般的なキッチンは、立った状態で作業することを想定して作られています。
車いすキッチンでは、料理がもっと楽しめるように、座った姿勢に合わせた様々な工夫が取り入れられています。
そのため、車いすユーザーや、立ったまま調理をすることがつらくなってきた高齢者におすすめです。
ただし、使いやすいキッチンは、車いすの大きさや身体状況、キッチンを使う頻度や想定される調理方法などの生活習慣によって異なります。
「車いす対応」と表示された製品を選ぶだけでなく、実際にキッチンを使用する場面をイメージをしながら計画することが大切です。
足元に十分なスペースを確保する

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
キッチン作業をスムーズに行うには、シンクやコンロ、作業台に無理なく近づけることが大切です。
特に確認したいポイントが、作業台下の足元スペースです。
足や膝が作業台の下に入らないと、身体を横に向けたり、前かがみになったりしなけらばならず、シンクやコンロの奥まで手が届きにくくなります。
車いすキッチンには、足元を遮る収納やキャビネットを設けず、膝やつま先を入れられるようにした製品がメインです。
作業台下の足元スペースは、膝から2cm程度隙間があると、動きやすいと言われています。
作業台は身体に合った高さに調整する

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
作業台の高さは、床から膝までの高さに、作業台の厚みや膝との隙間を加えて検討します。
ひとつの目安として、「床から膝までの高さ+約16cm+膝との隙間約2cm(LIXIL ウェルライフより)」を基準に調整すると良いでしょう。
ただし、使いやすい高さは、使用する車いすの座面の高さやアームサポートの形状、使用者の身長や姿勢によって異なります。
数値だけで決めるのではなく、ショールームなどで実際に使用する車いすに座り、足や膝が無理なく入るか、作業台の奥まで手が届くかを確認することが大切です。
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自身の体格に丁寧に調整されたキッチンが欲しい方は以下のリンクをご覧ください。

参考記事
プランが豊富な車いすキッチン LIXIL ウェルライフ
手前に手すりがあるとアプローチしやすい

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
車いすでシンクや作業台に近づくときは、車輪を動かすだけでなく、身体を前方に引き寄せる動作ができると、よりラクにアプローチできることがあります。
その際、キッチンの手前に手すりがついていると、手でつかみながら身体を引き寄せられるため、作業したい場所へ近づきやすくなります。
また、調理中に手すりをつかむことで、前かがみになったときの姿勢を支えたり、身体のバランスを保ったりするのにも役立ちます。
ただし、手すりが必要かどうかや使いやすさは、使用する方の身体状況や動作によって異なります。
実際に製品に触れ、身体を引き寄せやすいか、手すりが車いすや作業の妨げにならないかを確認してから選ぶと、設置後の後悔を防ぎやすくなります。
参考記事
標準で手すりがついているシンプルなキッチン クリナップ:コラーノ
シンクは浅めのものを選ぶ

亀井製作所 ケアハウスキッチンより引用(https://www.repeat-k.co.jp/product/product-1218/)
車いすキッチンでは、シンクの深さも使いやすさを左右するポイントです。
シンクが深すぎると、シンクシタに入れた膝や足に当たりやすくなり、作業台に十分近づけないことがあります。
また、シンクの底まで手を伸ばすために前かがみの姿勢になりやすく、洗い物や食材を洗う動作が負担になりがちです。
そのため、車いすキッチンでは、一般的なキッチンよりも浅めに設計されたものを選ぶと使いやすくなります。
製品によって深さは異なりますが、12~14cm程度がひとつの目安です。
ただし、浅すぎると水がはねやすくなったり、大きな鍋やフライパンを洗いにくくなったりする場合があります。
膝が無理なくシンクの下に入るか、シンクの底や置くまで手が届くか、普段使用する調理器具を洗える広さがあるか確認し、自分にあったものを選びましょう。
参考記事
座ったままでも使いやすい浅いシンクが特徴の小型キッチン 亀井製作所 ケアハウスキッチン

コンロは安全に使いやすいIHコンロを視野に入れる

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
車いすに座った姿勢でコンロを使用する場合は、火を使わないIHコンロも選択肢のひとつです。
ガスコンロのように炎が出ないため、衣服の袖に燃え移る心配を減らしやすく、座った位置からでも加熱状態を確認しやすいという特徴があります。
ガスコンロと比べて低い位置で加熱できるため、座った姿勢でも鍋の中を確認しやすいことや、天板が平らで調理後のお手入れがしやすいこともメリットです。
ただし、炎が見えないIHコンロでも、熱を使って調理する加熱器具であることに変わりありません。
使用中や使用後は、天板や鍋が熱くなっている場合があるため注意が必要です。
操作ボタンが手の届く位置にあるか、表示が見やすいか、不意に鍋に手が当たりやすい配置になっていないか、無理なく鍋を移動できるかを事前に確認しておきましょう。
レンジフードのスイッチは手の届く位置に

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
レンジフードは、調理中に発生する煙やにおい、蒸気を排出するために欠かせない設備です。
一般的なキッチンでは、レンジフード本体に操作ボタンがついていることが多く、車いすに座った姿勢では手が届きにくい場合があります。
そのため、レンジフードを選ぶ際は、スイッチの位置や高さを事前に確認しておくことが大切です。
製品によっては、壁面の手が届きやすい位置にスイッチを設置できるものや、キッチン本体にスイッチがあるもの、リモコンで操作できるものと様々な種類があります。
無理に手を伸ばしたり、身体を乗り出したりしなくても操作できるかを確認し、座った姿勢でも安全に使えるものを選ぶと安心です。
意外と見落としがちなコンセントの位置

https://www.repeat-k.co.jp/product/product-1218/
キッチンでは、炊飯器や電子レンジ、電気ケトル、ミキサーなど、様々な調理家電を使用します。
そこで意外と見落としやすいのがコンセントの位置です。
一般的な位置にコンセントを設置すると、車椅子に座った姿勢では手が届きにくかったり、奥に手を伸ばす必要があったりすることがあります。
また、使用中の家電や調理器具が邪魔になり、抜き差ししにくくなる場合もあります。
そのため、よく使う家電の種類や置き場所をあらかじめ考え、無理なく手が届く位置にコンセントを設けることが大切です。
作業台の手前に近い位置や側面など、座ったままでも確認しやすく、抜き差ししやすい場所にあると便利です。
ただし、シンクやコンロの近くでは、水濡れや熱の影響にも注意が必要です。
完成後にコンセントを増設したり、位置を変更したりする場合は、壁や配線に関わる工事が必要になることがあります。
新築やリフォームの際に、使用する家電を想定し、少し多めに設けておくのも方法のひとつです。
延長コードに頼らなくても使えるよう、必要な数や位置を事前に確認し、安全に使えるコンセント計画を立てましょう。
吊戸棚は電動昇降式が便利

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
吊戸棚は収納量を増やせる便利な設備ですが、車いすに座った姿勢では手が届きにくく、せっかく設置しても使いにくい収納になってしまうことがあります。
そこで便利なのが、電動昇降式の吊戸棚です。
スイッチを操作すると収納部分が上下するため、高い位置にある食器や調理家電を、座ったままでも取り出しやすくなります。
介助者を呼んで取ってもらう必要が減り、自分のタイミングで必要なものを出し入れできるため、気持ちの面でも負担を軽くすることができます。
製品によっては、水切り棚として使えるものや、収納物の高さに合わせて停止位置を調整できるものもあります。
ただし、収納部分を下ろした際に、作業台や水栓、置いてある調理器具に干渉しないか、そもそも手の届く位置まで棚が降りてくるかを確認しておくことが大切です。
また、操作スイッチが手の届く位置にあるか、下降した棚の奥まで無理なく手が届くかも確認しておきましょう。
収納量だけでなく、普段よく使うものをどこにしまうかまで考え、座った姿勢でも使いやすい吊戸棚を選ぶと、調理中のストレスを減らしやすくなります。
食器洗い乾燥機を設置できるか確認する

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
食器洗い乾燥機は、食後の片付けにかかる負担を減らせる便利な設備です。
車いすに座った姿勢では、シンクに前かがみになって食器を洗い続ける動作が負担になることがあります。
食器洗い乾燥機があれば、食器を入れて操作するだけで、洗浄から乾燥まで行えるため、手や腕、腰の負担を軽減しやすくなります。
ただし、車いすキッチンは足元のスペースを確保するために、一般的なキッチンとはキャビネットの構造が異なります。
そのため、製品やキッチンの幅によっては、食器洗い乾燥機を設置できないケースがあります。
設置できる場合でも、扉や引き出しを開いた時に車椅子の足元や動線を妨げないか、食器を無理なく出し入れできる高さか、操作ボタンに手が届くかを確認しておくことが大切です、
メーカーによっては、食器洗い乾燥機をオプションで選べる車いすキッチンもあります。
希望する場合は、キッチンを選ぶ段階で設置の可否や対応機種を確認しておきましょう。
キッチンの広さだけでなく動線も確認したい

LIXILウェルライフより引用(https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/welllife/)
車いすでキッチンを使用する場合は、キッチンそのものの広さだけでなく、調理中の移動や方向転換、ダイニングスペースまでの動線にも配慮する必要があります。
必要な広さは使用する車いすの種類や大きさ、操作方法などによって異なります。
ひとつの目安として、車いすが方向転換ができる広さの目安が120~150cm程度です、
特にその場で360度回転する場合は、150cm程度のスペースがあると動きやすくなります。
また、車いすに座って作業している人の後ろを家族や介助者が通る場合や、引き出しを開けて物を取り出す場合は、それぞれ80~90cm程度のスペースを目安に検討します。
ただし、引き出しの奥行や車いすの全長によっては、さらに広いスペースが必要になることがあります。
キッチン単体の寸法だけで決めるのではなく、冷蔵庫から食材を取り出す、シンクで洗う、食器を片づける、作業台で切る、コンロで加熱する、料理をダイニングに運ぶといった一連の動作を想定することが大切です。
キッチンだけでなく、部屋全体の動線を考えて計画することで、使いやすく、長く愛着を持てる空間になります。
【参考】車いすを使用する場合の通路幅の目安
【参考】車いすを使用する場合の通路幅の目安(国土交通省 基本寸法より抜粋)
| 寸法 | 意味 | |
|---|---|---|
| 80cm | 車いすで通過できる寸法 | |
| 90cm | 車いすで通過しやすい寸法 通路を車いすで通行できる寸法 |
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| 120cm | 通路を車椅子で通行しやすい寸法 人が横向きになれば車椅子使用者とすれ違える寸法 杖使用者が円滑に通過できる寸法 |
|
| 140cm | 車椅子使用者が転回(180度方向転換)できる寸法 杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法 |
|
| 150cm | 車椅子使用者が回転できる寸法 人と車椅子使用者がすれ違える寸法 |
|
| 180cm | 車椅子使用者が回転しやすい寸法 車椅子使用者同士がすれ違える寸法 |
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