「車いす生活になって、自宅のトイレが使いにくくなった」
そんなお悩みはありませんか。
車いすでトイレを使う場合、便器まわりの広さだけでなく、トイレまでの通路幅や入口の幅、車いすを回転・方向転換できるスペース、便器への移乗のしやすさまで考える必要があります。
特に個人宅では、使う人の身体状況や介助の有無、住宅の間取りによって、必要な広さが変わります。
また、車いすトイレの広さを考えるうえで参考になりやすいのが、バリアフリー法の基準です。バリアフリー法の対象となるのは、多くの人が利用する建築物や施設ですが、個人宅のトイレ改修を考える際にも、広さや動線を検討するヒントになります。
この記事では、車いす用トイレに必要な広さについて、個人宅で考えたい目安と、施設に求められるバリアフリー法の基準を図解でわかりやすく解説します。
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車いすが転回できるスペースを確保する

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73835100000)TOTO株式会社 バリアフリーブック パブリックトイレ編 より抜粋

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73835100000)TOTO株式会社 バリアフリーブック パブリックトイレ編 より抜粋
車いす利用想定の場合、車いすでトイレに入っていけるようある程度の広さが必要になります。
通路幅や空間の広さの目安は以下の通りです。トイレに行くまでの道筋は、車いすで通過できる程度の通路幅が、トイレの個室内に出入りするには、少なくとも車いすが転回出来るスペースが必要となります。
【参考】車いすを使用する場合の通路幅の目安
【参考】車いすを使用する場合の通路幅の目安(国土交通省 基本寸法より抜粋)
| 寸法 | 意味 | |
|---|---|---|
| 80cm | 車いすで通過できる寸法 | |
| 90cm | 車いすで通過しやすい寸法 通路を車いすで通行できる寸法 |
|
| 120cm | 通路を車椅子で通行しやすい寸法 人が横向きになれば車椅子使用者とすれ違える寸法 杖使用者が円滑に通過できる寸法 |
|
| 140cm | 車椅子使用者が転回(180度方向転換)できる寸法 杖使用者が円滑に上下できる階段幅の寸法 |
|
| 150cm | 車椅子使用者が回転できる寸法 人と車椅子使用者がすれ違える寸法 |
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| 180cm | 車椅子使用者が回転しやすい寸法 車椅子使用者同士がすれ違える寸法 |
|



トイレへのアプローチの仕方を確認する
車いす使用者が便器に移乗する方法は身体状況によって様々です。
トイレの出入りの行動の流れや、車いす⇄便器の移乗の方法によって車いすの移動の仕方が変わり、必要スペースも変わります。
リフォームをする前にどのようにして普段、車いす⇄便器に移乗しているかを確認しておきます。
トイレに入って便器に移乗する流れの代表的なアプローチ方法を紹介します。

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73835100000)TOTO株式会社 バリアフリーブック パブリックトイレ編 より抜粋

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73835100000)TOTO株式会社 バリアフリーブック パブリックトイレ編 より抜粋

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73835100000)TOTO株式会社 バリアフリーブック パブリックトイレ編 より抜粋

(https://www.catalabo.org/catalog/detail/73835100000)TOTO株式会社 バリアフリーブック パブリックトイレ編 より抜粋
一般的な住宅のトイレはそこまで広く空間をとっていないことの方が多いため、車いす利用想定のバリアフリーリフォームをする際は以下の選択肢を取ることが多いです。
- 既にあるトイレの壁を壊し広く空間をとる
- 使用頻度の少ない部屋をトイレに改修する
既にあるトイレの壁を壊し広く空間をとった施工事例
画像は車いす利用のためトイレを広くしたいとのお客様のご希望で、元あったトイレの個室と隣接する脱衣室の壁を壊し、一つの部屋にすることで、広さを確保した施工事例です。
換気設備は十分に作動するほか、暖房設備も完備して、トイレ・お風呂などヒートショックの起きやすい場所のケアもしています。
施工事例
使用頻度の少ない部屋をトイレに改修した施工事例

トイレ全体、使わなくなった一室をトイレに改装することで介助スペースや車いすの移動の切り替えを容易にするスペースを確保しました:施工後写真
画像は元は書斎だった場所にトイレを新設した事例です。
もともとあったトイレも家族用に残し、新たに車いす利用のまま使用しやすいトイレを新設しました。
施工事例
バリアフリー法での車いす使用者用トイレのスペースの確保の基準について
バリアフリー法では、多くの人が利用する建築物や施設に対して、車いす使用者が円滑に利用できるトイレの整備が求められています。
車いす使用者用トイレでは、単に便器を設置するだけでなく、車いすで出入りしやすいこと、便器へ移乗しやすいこと、室内で方向転換や介助がしやすいことが大切です。
そのため、便房内には、腰掛便座や手すりなどを適切に配置し、車いす使用者が円滑に利用できる十分な空間を確保する必要があります。
また、車いす使用者用便房や、その便房が設けられている便所の出入口についても、車いすで通過しやすい幅を確保することが求められています。
出入口の戸は、車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造とし、出入口の前後に段差がないことも重要です。
つまり、バリアフリー法における車いす使用者用トイレの基準は、「広い個室をつくること」だけが目的ではありません。
トイレまでのアプローチ、出入口の通過しやすさ、便器まわりの移乗スペース、手すりの位置、扉の開閉のしやすさなどを含めて、車いす使用者が安全に使えるかどうかを確認することが大切です。
なお、バリアフリー法の対象となるのは、主に不特定多数の人が利用する建築物や施設です。
個人宅のトイレ改修にそのまま義務として適用されるものではありませんが、車いすで使いやすいトイレの広さや動線を考えるうえで、参考にしやすい基準といえます。
ここからは、バリアフリー法の中で、車いす使用者用トイレの広さや出入口の幅に関係する基準を抜き出してご紹介します。
バリアフリー法の義務基準と誘導基準の違い
バリアフリー法の基準には、大きく分けて「義務基準」と「誘導基準」があります。
義務基準とは、一定規模以上の特別特定建築物を新築・増改築などする場合に、適合が求められる最低限の基準です。
一方、誘導基準とは、義務基準よりも高い水準でバリアフリー化を進めるための基準です。建築物移動等円滑化誘導基準とも呼ばれ、より使いやすく、より安全に利用できる建築物を目指すための基準として位置づけられています。
つまり、義務基準は「必ず満たすべき最低限の基準」、誘導基準は「より望ましい整備を目指すための基準」です。
車椅子使用者用便房の設置基準について(政令第14条第2項、省令第9条第1項)
車いす使用者便房とは、車いす使用者が円滑に利用することが出来るものとして、国土交通大臣が定める以下の構造の便房をいう。
- 腰掛便座、手すり等が適切に配置されていること
- 車いす使用者が円滑に利用できるよう十分な空間が確保されていること
政令19条の移動等円滑化経路に定めるとおり、以下の基準が適用される。
- 出入口の幅が80㎝以上であること
- 出入口の戸が自動的に開閉する構造その他車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造であること
- 出入口の前後に高低差がないこと

車いす利用想定のトイレに必要な要素は以下で詳しく説明しています。寸法等紹介しているのでご興味のある方はぜひご覧ください。
【義務基準】オストメイト用設備等を有する便房について(政令第14条第3項及び第4項)
便所のうち1か所以上には、オストメイト用設備(高齢者、障がい者等が円滑に利用することができる構造の水栓器具)を設けた便房を1か所以上設ける。
男子用小便器のある便所を設ける場合、床置式小便器等を1か所以上設ける。

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