あなたは家の中で「杖」使っていらっしゃいませんか?
杖は、身体を支えてくれる大切な福祉用具です。
一日の中でも長い時間使う杖ですが、家の中での使い方や周りの環境を少し工夫することで、もっと使いやすくなることがあります。
大きく生活の仕方を変えるのではなく、これまでの動作や習慣をなるべく活かしながら工夫することで、無理なく暮らしやすい住まいにつながります。
今回は、杖を使う方が家の中で生活するときにあると便利なものや、取り入れやすい暮らしの工夫についてご紹介します。
関連記事
【杖使用者向け】杖を使い始めたら確認したい住まいのポイント。通路・段差・床・いすの基本

【杖使用者向け】玄関の出入りを支えるバリアフリーリフォーム。段差・手すり・動線のポイント

杖を立てかける場所をつくる。使う場所ごとに杖ホルダーを設置

ファーストリフォーム ステッキホルダー より引用(https://www.firstreform.com/shop/c/c121505/)
杖を使っていると、いすに座るときや手を洗う時など、一時的に杖から手を離す場面があります。
このとき、杖を壁や家具に立てかけていると、何かの拍子に倒れてしまうことがあります。
床に倒れた杖を拾うために身体をかがめる動作は、バランスを崩しやすく、転倒につながる可能性もあるため注意が必要です。
では、杖を倒れないようにするにはどうすればよいでしょうか。
まずは、普段どこで杖を立てかけているかを思い返してみましょう。
たとえば、リビングのテーブルのそば、トイレ、洗面台の前、キッチン、玄関の上がり框など、生活の中には杖から手を離す場所がいくつもあります。
そうした場所ごとに杖ホルダーを設置し、杖の「居場所」をつくっておくと、倒れにくくなるだけでなく、必要な時にすぐ手に取りやすくなります。
杖ホルダーには、テーブルに取り付けるものや壁に取り付けるものなど、様々な種類があります。
簡単に取り付けられるものも多く、比較的取り入れやすいアイテムです。
ご自宅の状況の状況や普段の動作に合わせて、使いやすいものをえらぶことが大切です。
番外編|室内ではコンパクトな多脚型杖も便利

横浜市福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル〔建築物編〕より引用
使う杖にこだわりがない場合は、室内用としてコンパクトな多脚型杖を選ぶ方法もあります。
多脚型杖は、杖先が3点や4点に分かれているため、平らな床では安定しやすく、杖自体が自立するタイプもあります。
自立する杖であれば、テーブルや壁などに立てかける必要がないため、自宅の中にいくつも杖ホルダーを設置せずに済むことが利点です。
ただし、多脚型杖は複数の杖先をしっかり床につけて使用する必要があるため、傾斜のある場所では安定しにくくなります。
特にスロープでは杖先が均等に設置しにくいため、使用する場所には注意が必要です。
足をある程度上げられる方の場合、小さく中途半端な段差を残すよりも、段差を解消する、または段差があることを認識しやすい環境に整えるなど、その方の歩き方に合わせて住まいを考えることが大切です。
立ち上がりやすいいすを選ぶ。ひじ掛け付きを検討する

靴やズボンをはく、脱ぐといった、かがむ、しゃがむ、動作をするときは、いすに座って行うことで、身体のふらつきを抑えやすくなり、安全な場合があります。
ただし、いすは座れればよいわけではありません。
立ち上がりやすい形状があるため、特徴を知ったうえで選ぶことをおすすめします。
いすから立ち上がるときは、足を身体の後ろに引き、上半身を前に倒してから身体を持ち上げます。
そのため、座面の下に足を引けるスペースがあるいすの方が、立ち上がりの動作をしやすくなります。
また、ひじ掛けがあると、腕の力も使って身体を押し上げられるため、足腰への負担を軽減できます。
いすを購入する際は、座面の高さだけでなく、足元が開いているか、ひじ掛けを握りやすいか、座った状態から安全に立ち上がれるかを確認しましょう。
番外編|やわらかいソファは立ち上がりにくい

やわらかいソファは、座ったときに身体が沈み込みやすいため、立ち上がる際に力が必要になります。
また、立ち上がるときは身体の前に倒し、重心を足の上へ移動させる動作が必要ですが、深く沈み込むソファでは十分に前傾姿勢を取りにくく、立ち上がりにくさにつながることがあります。
座り心地が良く、インテリアとしても魅力的なソファですが、立ち上がることが以前より大変になってきたと感じたら、いすやソファを見直すタイミングかもしれません。
座面が沈みにくいものや、立ち上がる時に身体を支えられるものを選ぶなど、今の身体の状態に合わせて選びなおしてみてはいかがでしょうか。
杖だけに頼らない。手すりと併用する

杖は歩くときに身体を支えてくれる便利な福祉用具ですが、家の中の移動を全て杖だけで支えようとすると、場所によっては不安定になることがあります。
特に、玄関の上がり框や廊下、トイレ、洗面所など、立ち上がる・方向を変える・段差を越えるといった動作がある場所では、手すりを併用すると身体を支えやすくなります。
杖は移動しながら使える一方で、手すりは決まった場所でしっかり身体を支えられるのが特徴です。
杖と手すりを上手に併用することで、毎日の移動をより安定させやすくなります。
関連記事
【杖使用者向け】玄関の出入りを支えるバリアフリーリフォーム。段差・手すり・動線のポイント

床置きを減らす。使い慣れた場所に収納を整える

杖を使い始めると、今まで使えていた収納が少しずつ使いにくくなることがあります。
高い場所には手が届きにくくなり、低い場所の収納は、腰をかがめたりしゃがんだりする動作が負担になります。
その結果、物を収納すること自体が大変になり、つい床やテーブルの上に物を置いてしまうということが起こっていないでしょうか。
収納というと、「きれいに片づけなければならない」と考える方も多いかもしれません。
しかし、杖を使う方の収納では、見た目をきれいに整えることよりも、まずは安全に移動でき、無理なく物を出し入れできることを優先して考えることが大切です。
ただし、収納場所を見直すときに注意したいのが、今まで使って居場所をなるべく大きく変えないことです。
普段の動線から離れた場所へ移してしまうと、どこにしまったかわからなくなったり、取りに行くことや片づけること自体が億劫になってしまったりすることがあります。
まずは、今まで物を置いていた場所や普段の生活動線を確認し、その周辺で手の届きやすい高さに収納を整えていきましょう。
また、収納家具には、立ち上がるときや移動するときに身体を支えるため、無意識に手をつくことがあります。
家具が動いたり倒れたりすると危険なため、必要に応じて壁などにしっかり固定しておくことも大切です。
関連記事
【杖使用者向け】杖を使い始めたら確認したい住まいのポイント。通路・段差・床・いすの基本

【杖使用者向け】玄関の出入りを支えるバリアフリーリフォーム。段差・手すり・動線のポイント

お問い合わせはこちら↓
バリアフリー化の悩み介護リフォームの悩み、なんでもお声掛けくださいませ!


